俺、兵庫健介(ひょうごけんすけ)には一歳下の、それはもうドジっ子な幼なじみがいる。
一緒に遊びに出れば財布を忘れるし、店にはスマホを忘れるし、おしゃべりに夢中で赤信号渡ろうとするわ……。
ついててやらないと危なっかしくて仕方がない。
ただ、彼女、結城鹿子(ゆうきかのこ)は密かにそのことを気に病んでいたらしい。ある日のこと、
「先輩。明日から……その、迎えに来なくていいから」
鹿子は決意を込めて俺にそう宣言したのだった。一方の俺はといえば、それから何かが物足りない。
あれだけ仕方ない子だなあなんて思っていたのに、これだけ寂しいなんて。
これはつまり、俺が鹿子のことが……ってわけで、それならやることは一つしかない。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-10 19:09:48
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駅前で菜都実(なつみ)は彼を待っていた。クリスマスイブの今日、菜都実達もクリスマスデート。でも、冬哉(とうや)は30分経ってもやってきません。連絡を取りたいけれどスマホを忘れてきてしまって、取りに帰るか待っているか悩みます。スマートフォンの
無かった時代の待ち合わせに似て、連絡の取れない不安に心が揺れるのでした。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-12-07 16:46:48
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