リンデリア王国には黒髪に黒い瞳で生まれた子が触れたものはぼろぼろになるという言い伝えがある。
だからロードは伯爵家の次男に生まれながら、結婚も独り立ちしての商売もできるわけがなく、騎士団に入るほかは生きる道がなかった。
だから毎日ひたすら剣
を振り、身に纏う筋肉はガッチムチになっていった。
そんなロードの話を聞きつけた『最後の王女』プリメラ=エンダークは言った。
「触れる物をみなぼろぼろにする呪いの騎士? ではその騎士なら魔王を倒せるではないの」
プリメラは生贄として捧げられる予定だったところを王太子である兄エドワードに救われたため、その兄が危険な魔王討伐に行く前に倒そうと考え、そこでロードに白羽の矢が立ったらしい。
騎士団にも居場所がなく、出世も望めないロードに魔王討伐など無理だと断ろうとするが、プリメラの話は意外な方向へと転がっていき――。
挙句、空からピンク色の髪に碧い瞳の少女まで降ってきて、(元)生贄の王女と呪いの騎士と聖女はそれぞれの思惑を胸に魔王討伐へと向かう。
その中で、ロードは己の『呪いの言い伝え』と向き合い、やがてプリメラの本当の目的を知る。
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3万字くらいで完結します。
一見するとファンタジー色が強そうですが、主軸はごりごり恋愛です。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-12-04 01:05:22
42690文字
会話率:42%