彼は生きていた。
記憶を失くし、江ノ島が見える湘南で、水前寺美咲は生きていた。
二〇二一年夏休みと世界の終わりが近づいた湘南で、美咲は親戚で同い年の少年――灰沢一敏の家に身を寄せる。
心を閉ざした一敏の幼馴染みの鶴田直美。
一敏に恋心を
抱く同級生の紺野陽奈子。
直美の友人で派手なギャルの奥平唯。
彼女たちと人類最後の夏休みを過ごす秘密結社――遅咲きのエーデルワイス団を結成し、美咲の記憶を探すのだが。
エーデルワイス団シリーズ第四弾、今度の舞台は湘南で「最後の夏のエーデルワイス」に登場した水前寺美咲が主人公の物語です。
初見の方はもちろん本作から読んでも楽しめるようになっています。 折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-29 00:05:32
99666文字
会話率:48%
これは僕、真島翔(ましましょう)の思い出話しであり、エーデルワイス団の最初の物語である。
二〇〇三年春、真島翔は一年にも及ぶ受験戦争は敗戦に終わって遠くの学校で寮に入るか、歪で偏った校則の地元の私立高校に入るか選択を迫られていた。
翔は悩んだ末に地元にある私立細川学院高校ーー通称:細高に入り、堅苦しい生活になるとうんざりするが、中学時代からの知人で変人な柴谷太一(しばたにたいち)、同じく一緒の中学で無愛想で無配慮な中沢舞(なかざわまい)、そして読書好きの天然和風美少女の神代彩(かみしろあや)と出会う。
ふとしたことがきっかけで楽しい日々を送るが、同時に先生や大人たちに目をつけられてしまう。太一の提案で翔たちは彼らを出し抜くための活動を開始する。
「最後の夏のエーデルワイス」「遠い夏の夜空のエーデルワイス」に続くエーデルワイス団シリーズ第三弾です。
今回はゼロ年代前半を舞台にした物語ですが、どれから読んでも楽しめるようにしています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-07-27 15:06:19
105846文字
会話率:58%
これはある年のエーデルワイス団の物語である。
熊本市内の私立高校に通う平凡な少年、米島涼は楽しかった幼少の思い出を犠牲にして中学時代の辛い記憶を意図的に忘れ、友人の土谷大地と彼の幼馴染である木崎美紀と平穏であるが同時に退屈で怠惰な日々を過
ごしていた。
そして二年生の夏休み前のある日、転校生の美少女――草原葵がやってきてクラス中が色めきたつ中、涼は卑屈に構えていた。
しかし、ひょんなことから涼は草原葵と付き合うことになり、学校の生徒の間だけに秘密裏に受け継がれてきた秘密結社エーデルワイス団の存在が涼の青春と運命を大きく変えるのだった。
前作『最後の夏のエーデルワイス』の数年前のお話しです。
『最後の夏~』を未読の方でも楽しめるように書いております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-25 23:23:35
98867文字
会話率:56%