ライトエルフの里で、一人だけダークエルフの青年ナーリ。遠巻きにされているけれど静かで優しい彼に、里の少年フィーは懐いていく。◆アルファポリス、個人サイトにも掲載。
最終更新:2024-10-17 18:13:22
8071文字
会話率:46%
不老の種族とされているエルフ族は、長い時間を生きていく中で少しだけ特殊な恋をする。
ある者は、エルフ同士で運命の相手を見つけ、文字通り永遠に添い遂げる。
これは、全エルフの理想と言っても過言ではないだろう。他種族の何倍もの時間を生
きるので、失う事もなく、退屈することもなく過ごす事ができる理想の恋愛だ。
ある者は、とてつもなく長い時間で、ほとんど変わることのないその類稀な美貌を生かして、数多の恋をする。
ある種族は相手の心を弄ぶ悪魔の様な所業だと言うこともあるが、言い寄ってくる相手が多いのも事実だ。その一人一人を相手にしてもあまりある時間を持っているので、そういう恋愛の仕方もあるだろう。
ある者は、全く恋をしない。
寿命の長いエルフは、同じ種族意外と恋に落ちれば必ず先に相手を失う事となる。
たとえ、どれだけ好きになっても。どれだけ愛していても。相手は先に死んでしまう。
失う恐怖は、どの種族でも一緒だ。それが大切な人となればなおさらだろう。
その為、村を出て生活するエルフはこの状態になる場合が多いらしい。
節目の1000歳を迎えたエルフ、【ユキハナ・アザミノ】の恋愛は3番目だった。
そんな彼女との十年前の約束を果たすため、人間である【シノ・タテガミ】は学園を卒業し、その人がいるギルドへとやってきた。
忘れることのできない約束を。叶えるためだけに追い求めた願いを。
ようやく追いついた背中に向けて、恋焦がれたずっと年上の彼女に向かって、少年は問いかける。
「980歳年下の人間は、恋愛対象にならないですか?」折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-03 22:16:31
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会話率:39%