――その日から、俺は『英雄』ではなくなった。
ある日、世界を救うために異世界から五人の男女が召喚された。
勇者として、英雄として、稀代の魔法使いとして……。
与えられた特殊な能力はどれも突出したもので、異世界の魔物にだって負け知らず。
一
騎当千の強者たち――だった。たった一人を除いては。
魔物の軍勢は日に日に力を増していき、英雄達もまた経験を積んで成長していく。
けれど、落ちこぼれの男はただ一人、取り残され、そして勇者のパーティを後にした。
三十歳を超えた自分には伸びしろが無く、足手纏いだと実感したからだ。
そうして、勇者たちは今も魔物の軍勢と戦い続け、
男は戦線から遠い場所で生きている。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-22 20:06:40
23979文字
会話率:28%
――約束だ。必ずお前を一人にしない。
百年前。三つの国を滅ぼし、地上に“魔族領”を作り上げた魔王を倒すために異世界から勇者たちが召喚された。
彼らは時に争い、時に助け合い、そうやって旅を続け――そして魔王討伐を果たす。
その多くは元の世界
へ戻り、五人の英雄たちが異世界へ残った。
ある者は王となり、ある者は王を支え、ある者は……。
そして、そんな五人のうちの一人。
魔王との戦いで神の力を使い過ぎ、人の器を失ってしまった者。
誰かが言った。
彼はもう人間ではないと。
彼は人間ではなくなってしまったと。
彼は、人類の敵になってしまったと。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-12-26 21:08:37
10102文字
会話率:23%
自分は特別だと思っていた、子供の頃は。
前世の記憶と、精霊を見る事が出来る“眼”。
それは確かに特別だったけれど……。
近所に引っ越してきたのは同じく精霊を見る事が出来て、両親も有名な魔法使い。
しかも長身美形……だけど魔法は使えないとい
う、不思議体質のイケメン。
次に知り合ったのは、この国のお姫様と瓜二つという銀髪美少女。
……だけどどうしてか中身はおっさん。
自分のことを語りたがらない訳ありの凄腕剣士に、ただの精霊というには強力過ぎる能力を持った相棒。
……そんな連中に囲まれれば、自分が特別だなんて言えやしない。
これは、ちょっとだけ才能がある凡人が、特別な仲間達の冒険に巻き込まれる物語である。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-10-02 18:20:15
166451文字
会話率:38%
「剣を手に取って殺し殺される毎日なんて、もう懲り懲りだ」
勇者として16歳で異世界に召喚された新藤裕也。ユウヤが活動したのは2年と短いが、その成果は異世界の誰もが知っていた。最も多くの魔族を倒した勇者。常に最前線で戦い続けた勇者。最高の勇者
と呼ばれ、最も魔王に近づいたとされている。
――それから13年。
当時の情熱を失い31歳になったユウヤは、王都の片隅で、自堕落な生活を送っていた。自称『何でも屋』として薬草摘みや雨漏りの修理などで日銭を稼ぎながら、おっさんには不釣り合いな美貌のメイドとともに、王都の問題を解決している。
「母の形見を探してほしいんです」
ある日、そんなユウヤの元に、少女からの依頼が舞い込んだ。わけありらしい少女の謎とは!?
その後の勇者を描いた異世界便利屋ストーリー!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-07-09 12:00:00
243832文字
会話率:35%