大坂夏の陣の一月後、平戸島に一人のイギリス人が帰ってくる。
彼の名はウィリアム・イートン
EIC、すなわちイギリス東インド会社の平戸商館に属する若い商人である。
イートンは人目を忍んで、焼け落ちた大阪から平戸まで密かに戻ってきた。
「商
館長、私は太閤の宝物を託されてきたのです――」
そんな感じで始まる歴史冒険小説です。
主人公のイートン君は実在します。
有能で勤勉で仕事熱心な若手商人なので、「冒険小説」のはずなのに、八割方普通に仕事をしています。少々恋愛もします。
彼の混血の息子がのちにイギリス本国でオクスフォードに入学している――という驚愕の事実からこの話を書きたくなりました。
イートン、たぶんものすごく優秀なんだ。生まれがそれほどよくないから出世が頭打ちになったタイプ。そういう気がしたのです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-01-02 08:15:54
94802文字
会話率:47%