農家の三男坊に産まれた僕は、将来的に家を継ぐ兄たちと違って外の街に働きに出なければならなかった。
特に得意なことも無く、畑を耕すのも森で狩りをするのもどちらかというと苦手な僕は、やがて家族からお荷物扱いになってしまう。
そんな僕だったが、あ
る日狩りに出かけた森の奥で不思議なほこらを見つけた。その中には人の頭ほどの岩があり、中央に一本の何の変哲も無い木の棒が突き刺さっていた。不思議に思った僕は、とりあえずその棒を抜いてみることにする。
思ったより簡単に棒を引っこ抜けた僕が拍子抜けしていると、僕の頭の中に男とも女ともつかない声が響き渡り、その棒が『わからせ棒』という伝説のスキルで編み出せる武具だということを告げ、その使い方も教えてくれた。
その後『わからせ棒』の使い方を動物相手に訓練して習得した僕は、この力を使って冒険者となろうと決意して村を出ることにした。
僕は『わからせ棒』の拡張スキルである相手の動きを封じ込めるスキル『テリトリー』を駆使して、盗賊たちを『わからせ』たりしながら町へ向かう。
だけど僕はまだ『わからせ棒』の本当の力を理解してなかった。
それが人間やモンスターだけでなく、様々なものを……世界をも『わからせ』るスキルだということを。
聖剣よりも遙かに強力な木の棒の伝説が始まる。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-10 07:53:13
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