里中優(さとなか ゆう)が父親からの虐待に耐えきれず自殺をしようと決めた日の朝、優はクラスごと異世界に転移させられた。
元々死ぬつもりだった優は、自らの命を顧みずに行動し、何度も死にかけながらクラスメイト達を助け、支え、信頼されるように
なる。助けられたクラスメイト達は恩を返したいと願い優の心の病に真摯に向き合い癒してゆく。その結果、優はクラスメイト達に心を開き、愛する人の支えもあり前向きに生きられるようになる。
優の行動によりクラスメイトは誰一人として闇落ちすることなく生き延び、成長し、一致団結して魔王との最終決戦に挑む。激しい死闘の末、魔王は打ち倒され、全員が元の世界に戻れると安堵したその時、滅びゆく魔王が最後の力を振り絞り彼らへ嫌がらせの一撃を放つ。油断したクラスメイトを庇った優にその攻撃が直撃し、優は異世界での記憶を全て失い現実世界に強制送還させられてしまう。
せっかく優の心の傷が癒えて来たのに元に戻ってしまうことを悲しむクラスメイト達だが、それ以上に重大なことを思い出した。優は自分の家庭の事情と、自殺しようとしていたことをクラスメイトに告白していた。元の世界に戻る時は転移した時と同じ時間に戻ることになっている。つまり異世界での記憶を失った優はその日のうちに自殺することになるのだ。
「「「「「絶対に助ける!」」」」」
異世界から現実へと戻ったクラスメイト達は優を救うべく行動を始めた。
これは、そんなことは全く知らない里中優視点の物語である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-07 21:45:37
10029文字
会話率:30%
「お前にはもう、ついていけない。このパーティから抜けてほしい」
勇者パーティのリーダーである勇者テリオマから告げられた一言によって、ステイラは勇者パーティを離脱した。
彼の度し難い性格や、人間性に欠ける行いを知っている人間は彼を遠巻き
に見るのみで、探索者協会の面々も彼を救済しようとはしなかった。
誰もが思った。
「奴は強かったが、終わった」
彼の堕落を願うもの、彼の追放を嘲笑ったもの、世論に流されて愚かな選択をした者たちは、やがて気付く。
彼と敵対すべきではなかったと。今更それに気付いても、もう遅いのだと知りながら。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-06-25 17:37:22
40411文字
会話率:33%