江戸の街に起こる謎の事件。それは「突然」解決する。
悪党どもは許さねえ!岡っ引き清五郎の人情捕物帳、ここに開幕!
最終更新:2024-11-10 13:58:19
25198文字
会話率:41%
ここは、大木戸町。
どこにでもあるような、ちょっと高齢者の人口比率の高い町だ。
おや、庭付き戸建ての家から誰かが咳き込む声がする。
ちょっと覗いてみよう。
「ごほっごほっ!」
「おとっつぁん、はい、お水飲んで」
「いつもすまないねぇ
、おみよ」
「おとっつぁん、それは言わない約束だよ」
傘寿を迎えた彦次さん。娘のおみよの留守中に、阿久大カンパニーと名乗る男が訪ねてきた。娘可愛さと男の執拗な態度に負けて、契約をしようとしている!それはクーリングオフできないぞ、彦次さん!
危うし!彦次さん!老人の財産が狙われている!一体どうなってしまうのか?!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-08 20:00:00
7024文字
会話率:46%
そうした気配が薄々這い回っていたが、勘三郎おとっつぁんのいまはとお久が産気づいたのは同じ刻限になった。長火鉢を真ん中にお店と奥を右往左往するうち、こきりこの鳴る音がますます渦を巻いてくる。それがその時のことなのか想い起す度に巻いてきた
渦なのか、こうまで年月が経ってしまった今となっては、埒もない。
錦の金羽織を背負ってこきりこかしゃかしゃ廻っていた手のひらサイズの勘三郎おとっつぁんは、いったんは体内に戻りいつもの悋気臭い顔で小言を繰り出したが、「こんなもん繰り返す阿呆もおらんやろう」と、いつもどおりのそっぽを向けた。
襖越しの向こうから赤ん坊がこの世に顔を出した最初の声がした。生まれた。助かった。両腕を二度まで上げて万歳をした。
「あの子は、わてや」
小さな勘三郎おとっつぁんではない。生ける骸に見えても、まだ本マモンの生の声だった。灰なんぞかき回してる場合やないと、親族みんな、その声の一音一音聞き漏らすまいと、耳をそばだて、筆をとった。
「わてが無うなったら、久の子がわてや。わてぇは、あの子に生まれ変わって、加賀屋を、お店を、この屋を守っていく・・・・せやからぁおのれ等みんなぁ安心したらえぇ・・・・・弔いは、あの子を棺の真ん中に座らして、来たもん皆んなに「この度のお生まれ変わり、おめでとさんで」って云わせるように触れ回れ。金屏風ならべて、こきりこ鳴らして、朱塗りの膳に金と銀の鯛を盛り付けて、大盃にひょうたん酒そそいで、廻してくれぃ・・・・・ちよも、せいも、とせも、まあも、あやも、くみも、なつも・・・・」と、女の名前ばかりなぞって、勘三郎おとっつぁんは死んだ。が、小さな勘三郎おとっつぁんはこきりこを鳴らしながら未だ女の名前を呼び続けている。
かよ さよ うめ かをる あやの まちる きさらぎ ふじつぼ あねわか よなくに さんかろう ことしず
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-29 07:09:55
144515文字
会話率:24%
前作「藤の花簪」、糸之視点。
突然、客の男が「俺がおめぇさんを井戸に捨てたおとっつぁんだ。その藤の花簪で殺してはくれまいか」とのたまった。
捨てられた赤子の、その後の人生。
最終更新:2018-07-19 15:04:09
6556文字
会話率:31%
※ベースは《子別れ》
※ネコボルト……コボルトの猫バージョン。人の言葉を話し、服を着て二足歩行。子供のいない夫婦の養子になったりする。
ネコっつぁん……おとっつぁん
キャットさん……おっかさん。
最終更新:2017-11-13 20:13:44
999文字
会話率:35%
ファンタジーと落語の融合てぇ妙ちきりんなお噺でございます。
さてここにおわすは豆腐屋のおとっつぁんとその一人息子のケン坊。一見してごくごく平凡なこの父子、しかしどうもケン坊は最近お悩みのようで……
最終更新:2017-04-29 22:34:38
7742文字
会話率:67%