―この世界に、こどもがいるかぎり―
戦争が終わり、平和が訪れた異世界。
魔王と勇者が去ったあとに訪れたのは、未曾有の──ベビーブームだった。
人間、魔人、獣人、妖精、スライム族。
異なる種族のあいだに生まれた子どもたちが、一斉に泣き、一
斉に笑い、一斉に育ち始める。
だが、育てる環境が足りない。
保育制度は整備されず、混成児への対応も未知数。
そんな混乱の中で召喚されたのは、ひとりの保育士──時庭ゆかり。
「勇者じゃないけど、子どもは育てられます」
異世界で始まった保育園の毎日は、
泣いて、笑って、ぶつかって、ぎゅっと手をつないで。
やがてそれは、「ちがうまま、いっしょに育つ」ことの意味を
この世界に問いかける日々となっていく。
これは、こどもと未来を信じる人たちの物語。
世界がどんなに違っても、育つ力は、ここにある。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-04-13 06:00:00
22918文字
会話率:32%