楽しいことなんて何もない、馬鹿になることもできないし、何かに打ち込み、目指すこともない、可もなく不可もなく、これからもそういうつまらない生き方しか選べないそういうよくある絶望を抱き、高校生活を送る勇騎。
そんな彼にとって唯一の変化の可能性が
、彼と同じ中学校からこの高校に入った同級生の女の子。彼女は消極的な勇騎にも隔たりなく接してくれていた。そんな彼女に勇騎は自分への好意と、あるべき理想の彼女を妄想していた。
そんなある日、クラスの女子から彼女が彼氏と一緒にいるところを見たと問い詰められる現場に居合わせてしまう。
彼女は照れながらもそれを肯定する。
何もしてないのに勇騎のわずかな可能性は閉じ、未来永劫の絶望の中に落ちたようにすら感じてしまう。
そんなある日、皆既日食をクラスで見に行こうということになり、彼女はいつもように勇騎誘う。勇騎はそれを断ることができずに、彼女と一緒にみんなと合流する約束をする。
だが、当日彼女は一人ではなく恋人と一緒だった。
彼氏の車の中で、仲の良い様子を見せつけられ、自暴自棄になり、勇騎は普段は抑えている悪態がみんなの前で表に出てしまい。逃げ出してしまう。
明日からどうしようと頭を掛かる勇騎、その時皆既日食が始まった。
その様子に世界の終りのような幻想を抱き、世界が終わらないかと望む彼の頭にあることが思い出される。それは異世界への行き方という都市伝説。
彼はその方法を試し、紅い空を目撃するが、直後にいつもの日常に戻ってしまう。ただ少しだけ今までとは違う。それはときより意識をなくすことがあり、その直後に全てがうまく行くようになる。まるで自分ではない誰かが自分であるようにみんなが自分に優しくしてくれる。
その日常に満足する勇騎だったが、心の中に不安もある。
そんな彼がふと訪れたのは都市伝説研究所と呼ばれる不思議な建物だった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-06-05 13:00:00
101713文字
会話率:44%
国民一人一人の生存価値は偏差値として表わされ、5段階の階級に
分けられる。階級で格差が少なからずともある故、唯一の昇格手段
である昇格試験には熱意を注ぐ人が多い。ところが、割合の最も多い
普通階級から上の上位階級へ昇格するのは難しいことだと
いわれている。
さらには、この試験を受けて下位階級へ落とされる可能性もあり、
老若男女の受験生は必要以上のプレッシャーを感じてしまう。
今年もまた、昇格試験の時期がやってきた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2014-02-23 03:16:07
2750文字
会話率:5%
バイトの帰り道、突然「ねぇ、伊藤くん。どうして私に惚れてくれないの?」 華やかでルックスも可愛い同じバイト先の女の子に声をかけられた。しかし、彼女とは仕事の会話しかしたことがない上に、地味で目立たないと自負している主人公は、彼女に話しかけら
れたことにすら疑問を感じてしまう。疑問を抱きながら不思議な会話が続く中、なぜか彼女に告白されて…?折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-02-04 20:00:00
10203文字
会話率:36%
山頂にある名が刻まれていない小さな墓標の前で、聖騎士リアナは故人を偲びながら2年前の出来事をふりかえる。
すべては隣国のイスマリア皇女を母国の次期王位後継者であるカイン王子の妃として迎える勅命を受けたことから始まった。
カイン王子を思
い慕うリアナとってそれは恋敵を自ら迎え入れることになると苦悩する。
皇女は本物か影姫か知らされていない状況の中、リアナは想いを断ち切ろうと思いながらも嫉妬を感じてしまう。
だがイスマリア皇女は優しく手を差し伸べ自分に正直になれと諭す。
そして隣国アステルベルク皇国を発って2日目、気持ちの整理がつかないリアナの前に魔物を従えた妖魔の大群が襲い掛かる。
決死の逃避行の最中、聖騎士の証でもあるペンダントに自分やカイン王子のことを侮蔑された言葉を思い出して秘めた力を使うことを拒み、共に護衛していた兵達が次々と倒されて次第に追い込まれていく。
果たしてリアナは絶体絶命の窮地を凌ぐことが出来るのか!
そして守るべきイスマリア皇女は本物なのか!
クライマックスは誰もが想像し難い結末を迎える――。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-11-05 14:50:07
83860文字
会話率:22%
重田幸三は雑誌記者。いつも編集長の大田由美子から叱責されていた。幸三は度重なる編集長からの叱責でうつ病を発症してしまう。一方、由美子は出版局長から部下との接し方について注意を受け、幸三の病気に責任を感じてしまう。幸三と由美子はぶつかりなが
らも距離を縮めていく。そして、ヘンデルの「私を泣かせてください」を通じて、心を通わせるようにまでなった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2009-11-09 22:22:09
22107文字
会話率:54%