魔力を持ち操る者を魔女・魔術師と魔力を持たぬ人間は畏怖を込めてそう呼んだ。
魔術協会とユリウス国。彼らが住まうところは違えど、同じ言語を扱い順調に交流が行われてきた。
だが、どうしても深く関わり合う上で些細なことで諍いは発生してしまう。どち
らに非があろうとも1vs1なら勝つのは決まって魔女、魔術師側。謝罪し和解までいくものの人々も腹の中ではよくは思っていなかった。
長と国王は永久問題として頭を悩ました。このままではいずれ対立を招いてしまうと策を模索している時、事件はついに起きてしまった。
報復の意を込めて、あるいは無関係に、ある時人の操る荷馬車は長の一人娘。魔女の娘を轢き殺してしまった。
後に対面することになった我が子の変わり果てた姿、亡骸を前に長ら両親は崩れ落ち、あまりの悲惨さから参列者らは復讐を誓った。
彼らに同調する者も多くおりあわや戦争にまで発展しかけた時、当時のユリウス国の王が謝罪し当事者を秘密裏に魔術協会に差し出した。
長らは、彼を前にして瞳を揺らし、然れど生きよと述べた。
この者を殺せば心は幾分晴れるだろう。だが、我々二間の関係に埋めようのない亀裂が生じることになる。..娘は..あの娘は...ユリウスのこと...大好きと言っていたんだ...。だから...せめて...。帰ってくれ。二度と俺らの前に姿を現すな...。
国王...協会の内部が落ち着くまでしばらく関係を絶つことを許して貰いたい。
絶縁状態の関係のまま王ら長らの寿命が尽き、代代わりしても関係性は変わることはなかった。
だが、白の魔女、ホワイトリリー。絶大な魔力を持ちし者の出現により事態は好転。彼女は人々のために力を振るい魔女の価値を示し続けた。
その甲斐あって徐々に二間の蟠りがほどけていく。
しかし、同時に、国王は危惧した。
白の魔女が味方のうちは頼もしい。
だが、もし、もしも、その力を我々人間に向けることがあったなら...。
そんな折、魔術教会の長と名乗る者から信じられない提案を受けた。
白の魔女を消すため我自ら力を貸そうではないか。
成功した暁には、我々魔女、魔術師と、人間、昔にあったような関係性を取り戻したいと思っておる。我らの代で、また歩みを共にしようではないか。
差し伸べられた小さな手を目にし、迷うことはなかった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-07-08 16:00:00
45570文字
会話率:28%
そこは、生きとし生けるもの全てが魔力を宿し、その魔力量で寿命が決まる世界。 剣と魔法と夢が詰まった世界に生まれたカトレア。ファンタジーの世界だよ。二次元だよ。と、喜ぶ彼女は実は前世の記憶を持っている。美男美女の両親に将来有望(容姿的な意味
も含め)な兄弟姉妹(きょうだい)。才能豊かな家系に生を受けたカトレア。 前世は日本の女子高生をしていた少女が「異世界転生のご都合主義万歳!」と狂喜乱舞しながら第二の人生を謳歌するお話。***「異世界転生」一度書いてみたかったのです。別作品『クレアルージュ』と同じ世界観ですが、単品でもお楽しみいただけるように書くつもりです。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-05-16 07:00:00
171389文字
会話率:35%
「水晶の魔女」シリーズ第16弾。「天文の魔女」サヤの弟子ミサが、師匠の弟弟子である「律動の魔女」リオと過ごす夏休みの一日。姉弟子たちにより「音楽の魔女」を目指すことになったリオに、ミサはそういえば「理系四大魔女」に何故「音楽」が含まれている
のか、と問う。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-03-04 22:32:32
12259文字
会話率:52%
「水晶の魔女」シリーズ第15弾。「詩歌の魔女」マリ門下の双璧・エリカとアヤの所へ、アフガニスタンで活動している「医療の魔女」アユミが、装備更新のためにやって来る。ついに動きはじめた曹文宣の「十七国計画」から、血統呪術の因縁についてあれやこれ
や。
今までのシリーズを読んでいないと、何が何だか分からない不親切設計。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-02-18 23:06:14
14037文字
会話率:35%
「水晶の魔女」シリーズ、お久しぶりの第14弾。「ファースト・カルテット」の最後の一人、「沈静の魔女」スミレ初登場。工芸の魔女の村で、一門の最新弟子であるアキラに出会う。彼の「適合水晶」と適性とは?
最終更新:2019-06-12 22:52:36
11154文字
会話率:18%
現在、使用に対して規制がある魔術、黒魔術。
中世ヨーロッパには既に、魔女・魔術師が使っていたとされる術法。
魔術を使わない一般市民からすれば魔術と黒魔術は、同じのようにとられている。
だが、魔女のあいだでは、魔術と黒魔術は明確に違う
とされている。
また、禁忌とされている魔術が黒魔術と呼ばれ、3つ程あり、
1、人を操る術法、操りの法。
2、人を欺く術法、偽りの法。
3、命を作り出す術法、作製の法。
である。
この三つのうち、一番刑が重いとされているのは、3番の命を作り出す術法であり、魔女の中でも禁忌とされ、唯一魔女・魔術師の中で刑罰が制定されているものである。
だが、この禁忌は過去に一度ある魔女・魔術師によって破られたことがある。
その魔女の名は、ドロシー。
ドロシーは、恋人であったアンディーを救う為にこの禁忌を破ったとされている。だが彼女は、アンディーと暮らす暇も無く大魔女に連れて行かれ刑に処されたという。
これ以降、この禁忌を破るものはいなくなったという。
また、黒魔術は発動が大変であるため、急速に使用する魔女・魔術師が減っていったという。
だが、2020年、この年に第三次世界大戦が始まったため、秘密裏に黒魔術を使う者が増えているとされている。
ここから生まれた言葉が、
『黒魔術は混沌を生む。』
これが、現在、一般市民から魔女・魔術師が疎まれている理由である。
このような、黒魔術の混沌の中を生きてきた彼は、転生したらどうするのであろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-29 10:56:15
5183文字
会話率:44%