林凛子はIT系の中小企業に勤める経理課長代理で50代が間近に迫っていた。会社には仲の良い同僚や友達もいなく、上司からは鬼お局と称されて恐れられていた。唯一心を許せる未婚だった友人もついに結婚をしてしまい、ついには孤独となる。絶望の日々を送っ
ていた林凛子がある日帰宅すると、一匹の猫が自宅のマンションの扉の前にいた。最初は無視していたが、夜中になっても鳴きやまないため中々寝付けずに睡眠不足の日々を送っていた。そんな生活が何日か続いたので、ついにイライラが絶頂に達しその猫をとっ捕まえて空き地に捨てに行こうと決意する。しかし、猫を捕まえようとしたら一目散に逃げてしまったので、その場は丸くおさまったと思いきや、次の日になんと猫がマンションの自宅の前にいた。そして、その猫は足にケガを負っていた。自分が無理やり捕まえようとしたせいで慌ててマンションの階段を飛び降りようとしたら足にケガを負ってしまったのだった。自分のせいで猫に死なれたら縁起が悪いと思い、急いで動物病院に連れて行くと、骨折で治療に日数がかかると言われ、ペット禁止にも関わらず仕方なくビル管理人には秘密にしてマンションの自分の部屋で飼うことにする。
嫌々仕方なく飼っていたので足が治ったら空き地にでも捨てるつもりだったが、ある日の週末外でランチを食べに行った帰りに「ネコをさがしています」と書かれたポスターを見つける。飼い主の住居はすぐ近所だったので、「これだ!」と思い、そのネコを飼い主の元へ連れていく。
しかし、その飼い主のアパートを訪れてインターホンを鳴らすと、ドアから出てきたのはなんと小さな少年だった・・・
婚期を逃した鬼お局と、猫の飼い主である少年とネコの出会いと三人の友情を描くヒューマンドラマ。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-09-08 13:06:46
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会話率:56%