音穏《ねおん》には親友の直也がいた。彼はサッカー部に所属しており、幼い頃から抱いていたサッカー選手という夢をひたむきに追いかけていた。
しかし、ある日試合中に起きた大怪我により、直也は「生きがい」だったサッカーを失ってしまう。夢を失くした
虚しさを感じ、生きる意味を見出だせなくなってしまった彼は、募る不安から強迫性障害と医師から診断されるようになった。音穏は絶望によりどんどんと変わっていく親友の姿を見て、上手く声をかけることができなかった。
やがて生死を彷徨う所まで来た直也は、支えてくれる家族に迷惑をかけたくないという一心で、家族の反対を押しきり家を抜け出す。そこで直也を待っていたのは、親友の音穏だった。
現役高校生が「生きる時間の尊さ」をテーマに書いた、切なくて淡い高校生の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-29 15:26:33
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会話率:39%