文久三年の夏、浦賀港付近を縄張りとするチンピラ博徒・野槌の亥吉は、ある廃寺で巨大な馬の姿を目にする。
マレンゴと言う、その野生馬をつれた武士・多田省吾に話を聞くと、南蛮渡来で極めて高価である、との事。
売れば一儲けできると企んだ亥吉は
、得意の博打でマレンゴを勝取る。
貴重な宝を奪われた筈なのに、何故か秘かな笑みを浮かべる多田。
間も無く、秘められた陰謀と狡猾な多田の企てが明らかになり、亥吉はマレンゴを殺して逃走しようかと考え始める。
でも彼の幼少時、亡父が可愛がっていた愛馬の記憶が蘇り、無抵抗な野生馬を殺す気になれない。
ある小屋に追い詰められ、逃避行は終焉を迎えるが、そこで一人と一頭の心は何時しか触合い、奇妙な友情が育まれていく。
それは亥吉にとって、孤独な生涯に嘗て無い安らぎの一時であった。
アルファポリス、エブリスタ、ノベルアップ+にも投稿しております。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-07-10 07:59:24
14294文字
会話率:17%
にくの、でんしゃの、もうひとつの、ものがたり。
にくの、でんしゃ。
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最終更新:2020-08-04 15:01:24
1913文字
会話率:24%
零れ落ちそうになる言葉を、必死に抑えていた日々が、どれほど幸せだったのか。きっと私にも、それに気づく日が来るのだろう。今はただ苦しいだけでも、その日々美しさを懐かしむ日が来るのだろう。
きっとこれは、いつか私の後悔になる、ひとつの記録だ。
最終更新:2018-05-27 17:08:04
686文字
会話率:0%
誰かに心を乱されるのは、嫌なばかりではないのかもしれない。そう気がついたのはいつのことだったろう。
古典の授業で何気なく眺めた沢山の和歌が、その切なさが、時代を超えて私に語りかけてくるような。美しい文学は、どんなに時が流れても、人に多大な影
響を与えるらしい。
これは、そんな文学への憧れから生まれた、随想録と呼ぶにも満たない、少しの散文である。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-05-26 20:52:38
659文字
会話率:0%
好奇心旺盛な助手のフミを連れ、面倒臭がりな宮城がいくつもの事件を解決していく物語。しかし、作中で起こる事件にはいずれも“怪奇”が関わっている。シリーズとして、野槌(ツチノコ)・猫又・山姥・天狗・河童などがある。ちなみに、あえて時代背景をぼや
かしており、どこか抽象的な印象で見ていただければなと思います。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-12-19 12:00:00
5535文字
会話率:35%
「人に喜ばれる仕事がしたい!」
転職を決意した石田綾香は、製造業の経験しかなかった。彼女が、次に選んだ職業は『ウエディング・プランナー』ところが、上司となる男が、訳のわからない言動をする変人だった。理想と現実に挟まれ、綾香の『転職』は成功す
るのだろうか?
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-02-10 03:46:17
6637文字
会話率:31%