四種族(人・獣族・半魔族・魔族)が共存する世界に突如として現れた“神獣・神麒麟”。五年前、その猛威に立ち向かい、世界を救った英雄パーティが存在した。主人公ミロードは、そのパーティで“No.2”と謳われた男。
しかし大災害を退けた後、パーティ
は解散。盟友だった“No.1”は十一番目の国を建国して王となり、ミロードにも宰相の座が用意されるが、彼は責任ある立場より「のんびりと自由に生きる」道を選んだ。
30歳になった今、当時の財産は娼館や贅沢な食事で使い果たし、すっかり一文無し。とはいえかつての栄光にすがるつもりはない。日銭を稼ぐため、彼は再びダンジョンへ足を運ぶ。危険と隣り合わせだが、金銀や宝石、希少な魔硝石が手に入る“冒険者”こそ、気ままな暮らしにうってつけだ。
世界にはまだ、何が眠っているのか。そして、再び巨大な災厄が訪れるのか――そんなことはさておき、ミロードにとっては「今日の飯と明日の遊興費」が最優先。果たして、自由奔放な“元・英雄のNo.2”の行く先には、どんな冒険が待ち受けているのだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-03-06 18:00:00
54045文字
会話率:42%
吉原遊郭の石田屋の主幸右衛門に後継ぎは居ない。幸右衛門は遠縁の浪人石田を後継ぎにすべく石田に始末屋を頼む。(遊郭における未払いの花代(遊興費)取り立てを生業にする者を始末屋と呼んだ)
始末が済み、花代を届けた石田は、亡き妻佐代に似た下女
の小夜に一目惚れし、小夜も石田に一目惚れした。小夜は借金の形に下女奉公していたが、幸右衛門や石田の仲間の勧めで、石田は小夜の借金を肩代りし小夜を妻にする。
石田に石田屋を継がせたいと思っている幸右衛門は、小夜を上女中にして家人用の部屋を与え、石田に石田屋専属の始末屋を頼む。しかし、白鬚社の番小屋に暮す石田と仲間たちは隅田村の衆に恩があるため、石田は隅田村から石田屋の妻小夜の元に通い、浪人仲間と共に石田屋から依頼される始末をする。
幸右衛門から、日本橋の呉服問屋山科屋清兵衛の倅清太郎の始末を依頼された石田は、妻小夜の情報で、石田たちは清太郎が小梅の水戸徳川家下屋敷で開かれる賭場襲撃を企んでいるのを知る。
山科屋清兵衛の倅清太郎の始末をした後、石田たちは山科屋清兵衛から、『倅清太郎と仲間が企んでいる悪事を阻み、清太郎を山科屋に連れ戻して欲しい』と依頼される。
また、石田屋幸右衛門を通じ、吉原遊郭の小見世仲間から始末屋と警護を依頼され、依頼を引き受ける。
石田は、小梅の水戸徳川家下屋敷の留守居役後藤伊織に剣術指南をしている日野道場の日野唐十郎の紹介状を携えて、水戸徳川家下屋敷に留守居役後藤伊織を訪ねると、まさにその時、水戸徳川家下屋敷の賭場を襲撃する清太郎たち三人に遭遇する。
居合いの達人の石田と、手練れの後藤伊織は、刀と木太刀で清太郎たちを倒して捕縛する。清太郎は家業を継ぐ気がなく、大工をしたいと考え、密かに大工の棟梁八吉の元で修業する身だった。清太郎の仲間二人も大工修業する無頼漢の兄弟子だった。
その後、水戸徳川家下屋敷に留守居役後藤伊織の裁量により、石田は清太郎の仲間二人を死罪にし、清太郎を山科屋清兵衛に引き渡すが、清太郎は改心しない。そこで、清兵衛は清太郎と親子の縁を切り、石田たちに、清太郎の打ち首処分を任せる決断をする。
清太郎の身柄を引き受けた石田たちは、逃げたら首を刎ねる、と言って清太郎の身を大工の八吉の頭領に任せ大工修業させる。清兵衛は清太郎と親子の縁を切る離縁状を北町奉行所に届けた・・・・。
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最終更新:2024-07-09 09:53:00
29128文字
会話率:40%
サラ金から借りていた借金が遊興費で膨れ上がり、返済に困った男がとった行動は家族を捨てての現実逃避だった。
過去に行ったことが有る、鹿児島に向けて車を走らせた男の思いは「入水自殺」だったのだが、このでたらめな男がどこまで死を覚悟していたの
かは不明と言うよりも短絡的な希望だったのだろう。
その証拠に鹿児島に着いた夜から飲食店に出入り、スナック嬢をつかまえては喜んでいるので世話はない。
このような、遊興にうつつを抜かす男にお金が付いてくるわけはなく、坂道を転がり落ちるようにして、悪事に身を染めていくのであった。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-12-04 14:00:00
11708文字
会話率:15%