この世界には昔から聖女というものが在った。
それはただ聖人の女性版というわけでもなく、魔女と対を成すものでも、ましてやただの聖なる人の母でもなければ癒しを与えるだけの治癒師でもない。
世界の危機に現れるという救世主。
過去、何度も世界を
救ったと言われる伝説の少女。
彼女こそ女神の生まれ変わりに違いないと、そう人々から目されたそんな女性。
それが、「聖女」と呼ばれていた存在だった。
皇太子の婚約者でありながら、姉クラウディアにもジーク皇太子にも疎まれた結果、聖女マリアンヌは正教会より聖女位を剥奪され追放された。
喉を潰され魔力を封じられ断罪の場に晒されたマリアンヌ。
そのまま野獣の森に捨てられますが……折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-05 19:13:28
3289文字
会話率:10%
死んでしまい、魂だけの存在になったエルピスは、祖国に残してきた“彼女”のことが気掛かりだった。執拗な創造神の追跡に逆らい、彼はあの日約束を交わした“彼女”に逢いに行く――。「月色」シリーズ第三弾。
最終更新:2010-03-20 05:32:54
8534文字
会話率:16%