王になれない王族、存在を疎まれた法術師、不遜にして怠惰な天才、四番目の王子ヴェルガ=アルフェンアイゼ=エスティメス。彼は成人後臣籍に下り、国王の側近になることが定められていた。当然ヴェルガは王太子候補にすら数えられない己の不運を呪い、いずれ
この国を手中に収めようと昏い野心を燃やしている――――などということは特にない。
傲慢で冷酷、その実態はただのこじらせたコミュ障。いるだけであらぬ誤解を加速させていく臆病な王子の明日は、はたしてどっちにあるのだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-02-24 01:10:04
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会話率:43%