料理が得意で、シングルマザーだった母を若くして亡くした和都は、社会に対する反骨精神からか喧嘩に明け暮れる荒れた日々を送っていた。そんな時に、ボクシングを通じて自分を変えて行こうと、考え始める。
しかし、ケンカと言う代償が和都の運命を変える
ことになり、プロボクサーとして引退に追い込まれる。そして、自ら犯罪へと手を染めてしまった和都は、刑務所からの出所後に刑事裁判の傍聴を通じて、更生に励もうとする。その理由は、裁判官の説諭を自分のライフワークの基として、犯した自分の犯罪の償いと更生とは何かを見つけるためだった。過去に大切な母を失っている和都に、新しく守るべき大切な存在と出会うことになるのだが、果たして過去に犯した罪の代償は、更正へと結び付くのだろうか。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-10-03 07:35:16
35422文字
会話率:27%
同じ高校の面識の無い同級生、滝乃水流花《たきのみず るか》が非行少女になったらしいと双子の妹に聞いた野波鱗太郎《のなみ りんたろう》は、彼女の奇行と容貌に思い当たる節があって、会いに行った。
滝乃水流花が魔物に取り憑かれていることを見抜
いた鱗太郎は、本性を現した魔物・メデューサと戦闘になり、自分の中に流れる竜の血統の力を用いてかろうじて制圧する。
だが流花の中に巣くうメデューサは、やがて身も心も食い破り、完全に入れ替わりを果たしてしまうのだという。
自分の力では流花からメデューサを取り除くことが出来ないと悟った鱗太郎は、自分と遠い血の繋がりを持つ竜種、エメラルドドラゴンに助けを求めることにする。
流花との面会から内実を見抜いたエメラルドドラゴンは、鱗太郎とメデューサに全力で戦うことを命じる。自分は手を出さず、メデューサが勝てばそのまま見逃してやるとの条件で。
果たしてエメラルドドラゴンの真意とは。
これは、その強さと美しさから「宝石竜」と称される最強の竜種の一頭、エメラルドドラゴンと、その縁と力を持つ野波鱗太郎、思いがけず魔物と関わりを持ってしまった少女達と、エメラルドドラゴンが気に入った人間達に時折押し付ける、いや説諭する至言「竜の十戒」にまつわる物語である。
■第一戒 完結しました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-29 01:17:43
52784文字
会話率:35%