かつて地上には高度な魔導機械文明が存在した。
エンシアと呼ばれた文明は世界を統べるほどに繁栄したが、その行き過ぎた繁栄は世界の理と背く道を行き、やがて世界の理そのものが文明の脅威となった。
文明の危機に直面したエンシアの科学者たち
は持てる全てを結集して機械仕掛けの神を建造した。
世界の運命を委ねられた機械仕掛けの神は行き詰まったエンシア文明を救う神になるはずだった。
しかし、機械仕掛けの神は暴走した。
“闇”と連結し、変質したそれは機械兵器を支配し、エンシアの地を蹂躙し、その全てを破壊する。
後の世に“機神”として知られる災厄の誕生であった。
光側の“神”によって“機神”が倒され、“聖域”と呼ばれる地に封じられて幾百年余り。
“神”ですら破壊できなかった“機神”はいまも滅びることなく、“聖域”の中心で覚醒の時を待ち続ける。
“聖域”の歴史は“機神”と対峙する者の歴史。
その姿に怖れを抱く者──
その力に魅入られ、運命を狂わせていく者──
そして狂わされる運命に立ち向かい、その闇に抗い続ける者──
その歴史にいま、終止符が打たれようとしている。
“聖域”は“機竜”を巡る戦いの果てに決壊が始まろうとしていた。
内包する“闇”の暴走──
いままで“聖域”によって阻まれていた外界の神族たちの出現──
その脅威の狭間で人々は運命に翻弄される。
しかし、その人々の中には運命に立ち向かう勇士たちがいた。
“闇”と“光”の狭間に立つ勇士たちは運命の迫る“聖域”で最後の決戦を迎えようとしていた。
これは全てを引き換えに“勇士”を演じようとした少年と──
最後まで勇士として立たせるために彼の“戦乙女”であろうとした少女の──
二人の悲願の果てに終焉する“聖域”の勇士の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-01 23:00:00
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会話率:38%