声なんて、もういらないと思ってた。
でも君は、僕の声を「綺麗だ」って言った。
声を失くした少年と、
その声に「救われた」と言った年上の彼女。
誰にも届かなかった僕の声が、
初めて誰かの胸に触れたとき――
それは、生きることをあきらめかけ
た僕にとって、
たったひとつの光だった。
もう、傷つけたくなかった。
でも、君の優しさが、僕を壊してしまいそうで――
それでも僕は、声を届けたかった。
消えたかった夜から始まる、
声と再生の、儚くてせつない恋の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-19 20:00:00
3977文字
会話率:10%