ナオ・ライオネルは、呪われた黒髪黒い瞳を持つということで王女でありながら王宮の森の奥にある旧宮殿に幽閉、そこで育った。彼女は、ある寒い夜にそこから拉致され、ある城の前に捨てられる。その彼女を拾ったのが「銀色の魔獣」と異名を持つアレックス・ベ
ンジャミン将軍だった。じつは、ナオはアレックスに妻として下賜されたのだった。熱病の流行するベンジャミン領で、ナオは自身のサバイバル経験から得た知識から薬を開発、アレックスだけでなく多くの人々を救うことに。しかし、それは彼女の薬の効果だけではなかった。彼女自身の特殊な能力によるものだった。一方、王都でも熱病が猛威を振るい、壊滅状態に。なす術もなく、王族も含めて多くの死者が出ていた。その能力の出現に気がついた王族は、ナオを逆拉致するという暴挙にでる。
虐げられ、絶望と暗闇の中ですごしてきたナオ。粗暴で不器用なアレックス。辺境の過酷な環境の中、ふたりの奇妙で焦れ焦れな夫婦生活がいま始まる。
※ハッピーエンド確約。ご都合主義のゆるゆる設定はお許しください。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-01-05 19:22:04
31866文字
会話率:18%