昔々、かぐや姫は貴公子たちの求愛への返答とし、五つの宝の何れかを持ってくるよう提示されました。
一つは蓬莱の珠の枝。
一つは火鼠の皮衣。
一つは仏の御石の鉢。
一つは龍の首の珠。
一つは燕の子安貝。
伝説の宝たちは、かぐや
姫の月の力が満ちた言霊により、現世に実在して“しまった”のです。
──時は寛永十四年。
大和国で暮らす竹千夜の元へ、月の使者・哥刈が舞い降りました。
哥刈の頼みは、五つの宝たちを悪用し、既得権益を得る五人の兵たちから宝を回収することでございます。
初代『讃岐造』の意志を引き継ぎ、三十一代目『竹取之翁』を冠する竹千夜は、これを引き受けて日本横断の旅へ立つのでした。
ここに開幕いたしますは、日本最古の物語の延長線でございます。
※肥前文俊(@HizenHumitoshi)様主催第20回書き出し祭りにて特別会場二位となりました。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-04-13 22:17:09
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