セイラムは美しい少女だった。
けれども、すらりと伸びた背筋に、長い黒髪の彼女を美しい女性ではなく美しい男だと思う者達も多い。
そんなセイラムは、どこか秘密の多い友人のヴィネアに微かに心を揺らしながらも、自分の魂の前歴となる美しい男にずっと
叶わない恋をしていた。
静かな日々は、とある事件と共に一転してしまう。
翼を持つ追っ手と、セイラムの前歴を巡る秘密に隠された嘘。
そのどちらが、セイラムを破滅させるものなのか。
稀なる魂の残る写本を蒐集する高貴な獣達が、誰にも知られずに密やかに生きる世界。
これは、とある世界から姿を消した美しい竜を巡る、一人の少女とその少女を愛した困った生き物達の物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-07-14 16:01:33
143166文字
会話率:30%
イリダルは鳥だ。背中に純白の翼を持ち、黒い目をしている。
向こう側から入り込む写本の蒐集家の摘発に立ち会いつつ、かつての主を訪ねた。
なぜならば、彼はイリダルの最愛の弟子である、竜の写本の少女の持ち主だから。
これは、竜に恋する竜の写本の
少女と、
その周りでうろうろ暗躍する、彼女に恋した猫や狼や鳥のお話のサイドストーリー。
※本編未投稿で楽しめるような短編になっています
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-09-09 10:53:30
4179文字
会話率:24%