――これはただの万年パシらされ少年が、異世界で英雄の振りをさせられて心臓の痛い思いをする物語である。
その日いつものようにパシらされた剣崎龍牙は、大型トラックに轢かれて意識を失った。
目を覚ますと見知らぬ場所で、そこにいたのは気の強
そうな目をした少女。
彼女は国を守る伝説の英雄と間違えて龍牙を召喚してしまったらしく、その偉大なる救国者になりすますよう迫ってきた。
無理やり承諾させられたものの所詮はただの無力な偽物。窮地を切り抜ける術は強運やハッタリその程度。
だが偶然が重なることでドラゴンを倒し決闘で騎士隊長を下し、周囲に本物の英雄と信じ込まれてしまい――
「え、これって本当に大丈夫なの!?」
龍牙の心配をよそに事態は進む。手の届かないほど遠くまで。
彼はその中で、自らの意志で戦うことを決意する。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-23 15:33:21
88410文字
会話率:44%