「帝を殺せ」——その命令と共に、香妃《こうひ》は後宮に上がった。
香に毒を仕込む影の女官として、香妃は帝に近づく。だが、帝は香に強く反応し、忘れていた記憶の断片を取り戻し始める。
なぜ帝は記憶を失っていたのか。先帝の崩御に秘められた謎。
香に込められたもうひとつの意図。
香を嗅げば命を落とし、香を嗅がねば真実に辿り着けない。
記憶と香が交錯する後宮の奥で、女官と帝の運命が、今静かに動き始める。
——香妃は、毒の香りで真実を暴く。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2025-07-16 08:53:17
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会話率:29%