まだ電気も銃火器もない未文明の島・アウスリアで、軍部に入隊したいと強く願う、首都トラディーに住む少女、サーヤ。彼女は試験で十分な成績を残すが、女性は合格しない、という不文律から不合格になる。
そのころ、軍部は、師団長が幅をきかせて、王を
差し置いて専制を働き始めていた。王妃と王女は西の古城に監禁された。未文明だけでなく、地図もなく、島の全貌も把握しておらず、また最近、物騒な盗賊・偽団員がそこら中にはびこっている、という島の状況なので、王は苦境に立たされていた。
王は、隊員になれなかったサーヤを利用して、王女・王妃奪還を企てる。サーヤは、隊員になれるなら、と、前向きに受け入れて、西の古城へ向かう。
王からお供につけてもらった白犬は、最強の団長の一人が、禁忌魔法『ドドラデニメ』をかけられて犬にさせられたという、不思議な強い犬だった。また、道中、王派閥についたことで遠方へ左遷されていた、アヌボット、ミラウの二団長とも合流する。
トラブルや遠回りはあったものの、サーヤは古城にたどりついて、乱戦を経て、王女と王妃の奪還に成功する。
しかしそこで、島が抱えるもう一つの問題が浮上する。偽団員の親玉と目されていた殺人鬼、通称殺神の目の色と、父、それから、突然色が変わった自分の目の色が共通して翡翠の色をしている、と知ったサーヤは、殺神と会うことが、自身のルーツや、偽団員問題の解決に繋がるだろう、と考えた。
実際に会い、交戦した結果、この島の歴史を知る。偽団員の正体は、かつてこの島にいた先住民を殲滅するために百年前に結成された暗殺集団の生き残りで、今も先住民の末裔を島中で探しているということ。翡翠の色の目が先住民の特徴と知り、自身も、家族も、これから隠れて生きていかないといけない、と分かり、そんな現実を変えたい、と決心する。
この作品は カクヨム にも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2023-08-27 20:28:52
179929文字
会話率:41%
武のエルホと智のホオト。火の神を祖とする両国の争いは15年におよんでいた。二つの血をひくレイナとカレルは従兄妹でありながらそれぞれの国を背負い対立する。
火の山が震えるとき、二人は現実から解き放たれた―
「神官は神に舞を捧げる」と同世界のお
話ですが、シリアスより。
R15と残酷描写は保険です。駆け足で進みます。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-06-21 20:00:00
14837文字
会話率:38%