幼い日のある夜、少女は細い細い啼き声を聞いた。それは災いを呼ぶ物の怪「ぬえ」の鳴き声であると教えられた少女トワ子は、ひたすらに己の心の中に隠し続けたまま14の時を迎える。
いつからか屋敷の離れで、妖しい魅力をもつ女中のミワと二人だけで過ごす
ようになったトワ子に縁談が舞い込む。
トワ子の耳の奥で、幼き日に聞いた鵺鳥の鳴き声が細く細くよみがえる。果たして災いは、誰のもとに訪れるのだろうか。
*一話の前書に「ヌエ」の説明を付け加えました。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-10-20 11:02:38
16876文字
会話率:21%