15年前に災厄が降り注いだ。その結果、人間の生存圏は狭まった。
災厄はさらに病をも蔓延させた。
そして災厄の主は言った。
「絶望に抗って見せよ、家畜ども」
災厄の主は鱗を持つ天から舞い降りた化物。
彼らは「竜」と、自らを呼んだ。
病は人に希
望を与えた。竜に抗う力だ。
病は人に絶望を与えた。竜へと至る病だ。
人がいずれ竜になる病、登竜病。
15年の月日は病の進行による絶望だけでなくしっかりと希望も与えていた。
人類の生存圏と竜が跋扈するエリアを隔てた境界『ライン』。
そこでは竜を狩る者たちがいた。
人は竜を狩る。そして竜に至る。
災厄の主は静かにそれを見守っているのだ。
不定期更新折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-05-12 00:00:00
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