「訳あり」のヒトばかりが集められる山奥の修道院――ある時期から成長の止まった元少年兵のフェイトも、そこに連れてこられた一人だった。
俗世から隔絶された修道院で送る平穏で平和な日々に幸せを覚えながらも、常に心にあるのは不足感と、いつか戦場で
助けてくれた美しいヒトの記憶。
それでも、このままずっと平和に暮らすことが幸せに違いないと自分に言い聞かせ続けたある日、修道院のある山に突然変異と思しき動物が現れる。
その日を境に、平和な日常という仮初めの日々は徐々に崩れていく。
五つの禁忌に縛られた、六の界層に七の種族が生きる世界の中、種族対立や宗教対立を乗り越えて、少年は自分の内に燻る欲望を知るのだった。
※この小説は各小説投稿サイトにも掲載しています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-14 21:47:07
116832文字
会話率:44%