諸説あるが此れが本物で有ります。
江戸は日本橋小伝馬町獄舎(牢屋敷)の隣に、「癲狂養生所」と謂う 「心の病」 を背負った罪人達が入る奇妙な「囲い屋敷」が在った。
罪人と言っても、
「生来、気がふれている者(剛狂者)が犯す罪」
と
「何かのはずみで気がふれてしまった者(柔狂者)が犯してしまう罪」
とがある。
この牢獄は、西と東の二つの獄舎に分かれていて、西獄舎は「い組獄舎(剛狂者)」、東獄舎は「ろ組獄舎(柔狂者)」となっていた。
ここの収容者(咎人)達は、罪の大小に関わらず、処刑、処罰は留め置きとされていた。
知人を殺傷した平賀源内(貧家銭内)は、「ろ組獄舎」 の七番札の牢部屋に入って居た。
牢部屋は牢屋でも「ろ組獄舎」 の罪人は医師の承諾を得れば、いたって外出等は自由であった。
逃亡しても遠くには行けないし、せいぜい野垂れ死にするのが関の山だと思っていたのだろう。
だから、この手の罪人は行方をくらましても十日もすると腹が減って、またこの牢部屋に戻って来て居た。
この作品は、この牢獄で他界した「平賀源内(貧家銭内)」と云う希代まれなる「不世出の天才」の養生生活を描いたドラマである。
では、どうぞ。
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最終更新:2025-02-28 18:36:31
29752文字
会話率:59%
1657年、のちに振袖火事とも言われることとなる、明暦の大火が発生する。
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最終更新:2021-01-04 00:00:00
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が、無為無策のまま日々が過ぎていく。そんな中、兄である宗次郎に妖怪のことを知られてしまう。
だがそこからことは動き始め、また新たな出来事をも呼び寄せる……
『およずれごと』とは『妖言』――人を迷わす妖しい言葉
※不定期更新 ※他サイトにも掲載折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-06-17 21:36:58
129052文字
会話率:38%