古市家の妖怪事情について。
1.社会人歴八年。恋人無し。三十路まで残り数日。そんな俺の家に、やけに笑顔輝く女子高生が「今日からここに住みます!」などと抜かして押し掛けてきた。初対面だ。そのはずだ。しかし彼女は「忘れちゃったの?」と言ってき
て……。【かぐや姫は自力で月から戻る】
2.どうも、半人前の雪女です。男を騙して一人前になるために、絶賛雪山中です。こんな慣習、このご時世に有り得ないと思います。めでたく全敗記録を更新し……たと思いきや、まさかの再会、逆プロポーズ成功で夫婦に、ってなんで!? あっ、指、溶けてる。【約束を破ってもらえない雪女】
3.高校二年。仁には気になる女子生徒がいる。跳ねたり震えたり不思議な行動をしているのに、周囲の人間はまるで見えていないように振る舞う。ただあくまで行動が気になるのであって、決して惚れた腫れたの話ではない……はず、だったけど。【目立ちたくない座敷童】
4.私はある秘密裏の組織・野良妖怪団体で働いている。ペアを組んでいる後輩がやたら軽い調子で絡んでくるため、困り果てていたのだが、どうも思いの外、真剣だったようで……?「ねえ、先輩、俺はいつまで、あなたにとって子どものままなんですか」【こんこん様を、差し上げ候】
――つまりはそれは、なにかと妖怪に縁のある古市くんと、ワケあり妖怪さんの恋愛事情。
◆4章は2021年8月下旬より、隔日更新予定。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-09-07 09:00:00
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