寛政6[1794]年5月。いきなり28枚の大判浮世絵(役者絵)でデビューした新人浮世絵師・東洲斎写楽。かれはおよそ10ヶ月と云う短期間でおよそ150枚ものインパクトにとむ浮世絵をのこしてこつぜんとすがたをけしました。東洲斎写楽の正体は阿波藩
の能役者で斎藤十郎兵衛と云います。しかし、東洲斎写楽の作品すべてが斎藤十郎兵衛のえがいたものではありません。さらに写楽の作品のなかには歌舞伎役者の名前がまちがってつたわっているものがいくつかあります。この美術エッセイでは、写楽絵の詳細な比較分析や文献調査などで、それらをあきらかにしていきます。これまでの写楽研究を根底からくつがえす画期的な新写楽論です。どうぞおたのしみに!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-03-25 02:00:00
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「友紀(ともき)さん。鑑定してほしい写楽絵があるんです」
東京・銀座の路地裏に居をかまえる水羊亭画廊の若き画廊主・柏木友紀のもとへ舞いこんだのは、真贋もさだかではない未発見の写楽絵だった。ナゾの写楽絵をつけねらうあやしい男たちの影に、次
々と起こる殺人事件! 犯人の魔の手は柏木友紀にも容赦なくおそいかかる!?
〈水羊亭画廊シリーズ〉の柏木友紀、松本まどかと云ったおなじみのメンバーにくわえて〈水羊亭画廊シリーズ〉真打ちにして最終兵器となる玲瓏(れいろう)の変人・華響院響華が東洲斎写楽のナゾにいどみます。
緻密(ちみつ)な作品分析からうかびあがる〈写楽コード〉を読みとくうちに、これまでだれも知らなかった本当の東洲斎写楽があきらかとなる!『刀の柄で踊れや写楽(新説・東洲斎写楽)』の綾乃弓彦(よのすけ)が満を持してはなつ、写楽ファン必読の長編本格美術ミステリ、ここに開幕!折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-03-26 00:31:04
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