「そういえば」
ディランをドラゴンの食事として提供したウィリアム一行が屋敷に到着してすぐ、レイズンが口を開いた。
「あのおっさん、名前はなんて言うんだ?」
「確か、ディランだったと思います」
下っ端の答えを聞き、レイズンは口の端を
釣り上げる。
「ヒヒッ。ディランか、名前負けもいいとこだな」
「それは……どういう意味で?」
「お前、知らないのか? ディランって聞いて思い浮かぶのは、【毒蛇】のディランだろ」
「なんの話だ?」
ホープが会話に加わると、レイズンは声のトーンを一つあげて続ける。
「魔王を倒した勇者パーティに暗殺者がいたらしく、そいつの名前が、ヒヒッ、ディランって言うらしいんですよ」
「勇者パーティに暗殺者か。なんていうか、あんまり合わないな」
「肩書きは大層でもやってることは殺しだからな。それも、失敗できない殺し。存外、汚い手も使うんだろうよ」
耳ざといウィリアムの言葉に一同は声を出して笑う。
「まぁ、よっぽどの臆病者なのは確かだろう。勇者は魔王と相打ちになって世界を救ったというのに、その毒蛇とやらは何を成し遂げたんだか」
「それなら、父さんの方がよっぽど偉大だね」
「まったくだ。毒蛇もあの男も、ディランという名には責任が足らんようだな。今ではもう、全てドラゴンの胃の中だが」
ウィリアムを取り巻く笑い声が大きくなった。
彼らにドラゴン落命の報が届けられたのは、それから1時間後のことだ。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-11-08 16:12:05
5356文字
会話率:34%
【余所者】と呼ばれる裏の世界の住人から抜け出すための試練を完遂した男がいた、しかしそれは罠。抜けることを許さない父親によって冥界と呼ばれる異世界に送られてしまう。そこで明かされる【余所者】の秘密、黒い骨を持つ男の真実、知らないうちに背負う
使命、その他諸々、ヒロインもいるよ!!!!ってな感じで進む話です。ダイナミック里帰りの意味はすぐに分かります、ヒロインは基本的に重めで人外です。
サクサク戦闘して、サクサク解決して、イチャコラします。ストレスの少ない勧善懲悪的な感じで話を作る予定ですので悪は酷い目に合って、良い奴は救われます。苦戦はあんまりありません、苦戦に見える時は何かあると思ってください。
ブクマ、感想をもらえると次の話が早くなります、応援よろしくお願いします!!
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-07-27 17:09:39
15602文字
会話率:72%