羊子が死んだ。羊子は生前いじめられていた。いじめの首謀者だった晴は動揺した。彼女は羊子の死が自殺だとは信じたがらなかった。この中学校では数年に一度生徒が変死するらしい。それは何か人ならざるものの仕業なのかもしれない。羊子もきっとその何もの
かに殺されたのだ。晴はそんな自説を証明することに取り憑かれていった。
ところで、ぼくには想いを寄せている少女がいた。同じ学校ではない。どこに住んでいるのかも分からない。ぼくらはいつも道端で偶然出会い、この稲無田の街を散歩しながら話すのだ。「彼女」と過ごすのは楽しかった。だけど最近気になっていることがあった。ぼくは「彼女」について何ひとつ、その名前さえ知らないこと。そして、出会ってから随分経つのに、「彼女」の身体はまるで成長していないこと……。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-01-03 17:45:43
56372文字
会話率:49%
Hは大学で民俗学を専攻している。
間違って取ってしまった本がきっかけでとある民俗信仰に興味を持ち、
夏の長期休暇を利用して自ら調査に出向いた。
「犬神」と呼ばれる民俗信仰の舞台となるのは瀬戸内海に浮かぶ月ヶ瀬島。
しかし島で出会った女性から
、今現在、犬神は呪いの神とされている旨を聞かされる。
果たして犬神の正体とは・・・・・・?
※この作品は、拙作ブログ「歪みない小説を目指して」からの転載となっております。
http://blog.livedoor.jp/abswear18723/折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2012-10-14 22:13:44
18542文字
会話率:26%