一人の令嬢が学園で亡くなった。彼女は王太子とその婚約者を暗殺しようとして失敗したため、自ら命を絶ったらしい。王家からの発表に誰も異議を唱える者はない。けれど真相は壮絶な苛めの果ての自殺であった。
これは死んだ令嬢が生き返ることなく復讐を目指
す物語。
※冒頭から残酷描写と前半胸糞展開、後半過激なざまぁがありますので苦手な方はご注意ください。諸事情により感想の返信はしておりません。申し訳ありません。タグをご覧くださり大丈夫な方のみ、よろしくお願いいたします。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2024-03-10 00:33:50
82319文字
会話率:35%
ある日、一色隼は久遠千代が屋上から飛び降りようとしているところに遭遇する。
「なぁそこの自殺少女。俺のいちごオレを飲んでいかないか」
そんな一言から、一色は久遠が生きていてくれることを願い、説得を始める。
それでも、自分の言葉は届いてい
ないと悟った彼は、久遠と共に死ぬことを決める。だが、その決意を知った久遠から衝撃の事実を告げられる。
「私、死に戻りの能力があるんだよ」
久遠は、死に戻りの能力者だった。彼女は日常の些細なことで死に戻っており、決して絶望の果てに自殺という道を選んだわけではなかったのだ。
死に戻って何度も人生をやり直してきたという久遠の話を聞き――それでもやはり、一色は、久遠に生きていてほしいと願う。
「久遠は自殺するんじゃない。自殺という行為をトリガーに自分以外の全人類、いやあらゆる生物を殺すんだ。それで時間を巻き戻してる」
久遠が生きてくれる未来のために、一色はとにかく屁理屈をこねる。
たとえそれがエゴだと分かっていても。意味のない自己満足にすらなり損なっていると自覚していても。
「一色の言うことは……一理あるかもしれない。でも、ダメ。死に戻りは癖になる。死に戻らない生き方をしてこなかったから、一色の話を聞いても『やっぱり死に戻ればいい』って思っちゃう自分がいる。
だから――癖がなおるまで、私を止めてくれませんか?」
その思いが届き、一色は久遠の自殺癖を止める役を担うことになる。
これはそうして始まった、自殺寸前の純愛物語。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-08-27 17:05:46
11050文字
会話率:52%