「絶対に、迎えにいくからね!」
そんな言葉を信じ、8歳のバネーラは森で独り、ママを待ち続ける。
だけどそれから、50年が経った。ママはまだ来ない。
寂しさと孤独、悲しみに、心が削られていく。
そんな日々を一変させたのは、同じ捨て
子のヴァネットだった。
悲しみを紛らわすように、バネーラの生活はヴァネットを中心に回っていく。
悲しみも寂しさもあるけれど、その生活に、「怒りと喜びと楽しみ」、そして「生きる意味」が加わっていく。
バネーラは、ヴァネットのために。ヴァネットは、バネーラのために。
親に捨てられた2人は、互いを支えにしながら生きる。
だけどバネーラの心のなかには、拭えない恐怖があった。
「もしもヴァネットが、ママと同じようにいなくなっちゃったら?」
怖くてたまらないバネーラは、「森の外に行っちゃダメだよ」とヴァネットに強要する。
ヴァネットはその約束を律儀に守るが、あることがきっかけで、森の外へと出て行ってしまう……。
そうしてヴァネットは「森の外」の楽しさを知り、とある少女、シフルに出会う。
これは、愛を知らない8歳の老婆と、愛を欲する7歳の少女、そして、友情を欲する少女たちのハッピーエンドなお話。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-06-27 13:08:21
7290文字
会話率:32%