世界に災厄を招く種──厄種。彼らは、この世に生まれ落ちた瞬間から呪われていた。権利は与えられず、存在は認められず、彼らはすべからく、世界から弾き出されるだけの膿であった。たった一人、レンダール帝国の若き呪術師を除いて。帝国の保護の下、飼い慣
らされた自由を享受していた呪術師。しかし、その自由はとある少女との出会いを契機に消滅する。代わりに与えられたのは、万死の罪。謂れなき咎を背負わされた青年と、千年の牢獄から解き放たれた獣の少女。二人の命を賭けた逃亡が今、始まろうとしていた。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-01-02 06:24:26
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会話率:34%