「私、十五になったら月に帰らなきゃならないんだよ。それでもいいの?」
少女はそう言った。
月の鉱石は世界に星までゆく宇宙船を与えてくれた。一方その残渣は人々を汚染し、妖精のような月の子を生んだ。
月の子の少女は不思議な力を持っている。
だけどその力ゆえに人の中で生きることはできない。彼女を支えられるのは一人の少年だけ。
少年は少女の最後の日々を一緒に過ごす。ささいな抵抗と願いを胸に秘めながら。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-05-06 00:00:00
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会話率:46%