人は誰かが定めた『キャラクター』と『ポジション』に縛られ、他人が決めつけた自分を演じて生きている――
そこは、神様が生きる者の全てを定める世界。名前から将来の職業。性格に社会での立ち位置や生き方。挙句の果てに死因と寿命までもが神によっ
て決められて、魔法的な強制力で逆らう事は許されない。
そんな窮屈な世界で、愚かな道化の役回りを神様から与えられた一人の少年がいた。
「僕は君が好きだ! 名前も知らないそこの君! きっと幸せにするから僕と結婚してくださいお願いします!!!」
「え、あの……いや、ですけど……」
街中ですれ違った銀髪紫眼少女に一目惚れした道化の少年災葉愚憐は、出会い即求婚即振られ、惨めな敗北に再起を誓う。
「……もし、この敗北が。この玉砕が僕を縛る道化のせいだって言うのなら、僕は僕を勝手に決めつけたこの世界の神に抗ってやる……!」
自らの結末を、誰の手にも渡しはしない。
勝利をこの手で掴み取るべく、少年はその胸に灯った感情の為、神への反逆を決意する。
――これは、誰かが決めた『僕』に抗う愚かな道化の『反逆譚』折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-18 14:33:56
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会話率:21%