僕は心肺移植を待つだけの、病院のモルモットだった。そう、僕に家族はいない。なぜなら2011年の大震災で僕は全てを失ったからだ――。16歳の『僕』――沖城螢(おきづきけい)が息を引き取ろうとしていたその時、突然エディルと名乗る半獣人の女の子が
現れ、なんと螢の心肺を自分の健康な心肺とあっと言う間に交換してしまった!驚く螢に、彼女はあるメッセージを読み上げる。それは、螢が『試練』を乗り越えることができれば、螢を時空間鉄道の乗客――『契約者』として認めるという内容だった。
実は宇宙人『ラギニ』の子孫だった螢は、時空間鉄道『天磐船(アマノイワフネ)』に乗り込み、試験監督のレオナルトに、試練を乗り越えるための稽古をつけてもらおうとする。なんとかして試練をクリアし、宇宙の頂点に位置するという『角の地』に行って『契約者』になろうと奮闘する螢だが、時空間鉄道のオーナーに反旗を翻す『レジスタンス』の活動に巻き込まれてしまう。
反乱軍に無理矢理引き込まれてしまった螢とエディルだが、二人は段々オーナーへの不信感が芽生え始め――。
螢の家族は螢を院長に売ったのか?螢が病院でくり返し注射されていた薬物は何だったのか?――そして螢の家族は本当に震災で亡くなったのか?またエディルがオーナーから言い渡された真の命令とは?それらの謎が交錯する中、螢達は驚愕の宇宙の始まりの歴史を知る。ようやく角の地に到着した後、螢とエディルは半人半鬼だというオーナーと最後の決戦を繰り広げ、その日宇宙は大きく動き出す――。寄生型宇宙人ラギニの螢と、半植半獣の美少女エディルの時空冒険譚です。
なお、この作品はカクヨムにも掲載致しております。どうぞよろしくお願い致します。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-04-01 14:57:09
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