マンションの上階から聞こえる騒音は、主人公アサヒの心をむしばんでいった。
北海道の地方都市にある高層マンションに住む五十歳の女性アサヒ。夫は恋人をつくり半年前に家を出て別居状態が続いている。ある日、アサヒが住む二十一階の真上二十二階に
小さな子どもを持つ同年代の女性が引っ越してきて挨拶にやってきた。しかしその直後から昼夜問わず謎の騒音が始まりアサヒを悩ませる。
連日の騒音に耐えかねたアサヒは意を決し本人に苦情を言うが逆切れされ状況は悪化、ノイローゼ気味になりながらもマンションの理事長や管理会社、不動産会社、市役所にも相談するが、生活音はお互い様とそれ以上介入してはくれず、引越しを考えるまで追いつめられる。
何度目かの直談判の時、アサヒが怒りに任せてドアを蹴飛ばすと上階の女が110番通報し、警察官と刑事がやってきて弁護士を立てて裁判を起こす以外に方法はないと促されたことから、その準備として上階の登記簿を閲覧し、彼女の正体を知って驚く。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-02-19 23:31:33
74060文字
会話率:45%