キラ――それは不思議な力を宿した財物の事。この世界には欲望のまま、あらゆる手段を尽くしてキラを集める『蒐集師』と呼ばれる人々がいた。
支倉累(はせくらるい)もまたその一人。ある日、師匠の導きによって訪れた怪しげな屋敷の中で、累は紅い瞳の少女
と出会う。
座敷牢に幽閉されていた彼女はその名を市子(いちこ)と名乗り、累に対し奇妙な執着をみせる。
そんな市子に累は恐れを抱きつつも惹かれていき――。
創作者達の狂気、万物を喰らう魔物、欲望に駆られた好事家達の手。
人々の執着に赤黒く染まる世界で、キラは妖しく輝く。
これはキラに狂わされた少女達の執着と、寂しさと、そして宝探しの物語。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2016-01-13 19:49:14
68560文字
会話率:43%