人類の五%が死滅した謎の大災害『フレンダーの審判』。その後遺症によって異能に覚醒した者たち『ダーカー』は、ダーカー特有の濁った瞳で世界を睥睨した。
人が死んだときに生じた、未練や思念、憧憬や羨望、願望。人間の発する強すぎる感情が収束して、そ
れが宿ることによって生まれる異能力者、ダーカーは、天使、魔女、錬金術師など、様々な者が存在し、その目的、組織、欲望を分かち生きていた。
そんな中、『フレンダーの審判』で倒れてから眠り続けていた青年キョウシュウ・ヒューマは、十年に及ぶ昏睡から回帰した。
十年間自分を見守り続けてくれていた少女、ナイトから、ヒューマは身に覚えのない称号を呼ばれる。
曰く、原初のダーカー、と。
異能とは何なんか、どうして自分はその中で『原初』という不可解な位置にいるのか、何も知らない、わからない。そんなどうしようもない世界に嫌気がさしたヒューマは、十年前、『フレンダーの審判』で生き別れた幼馴染の少女を探すことを決意する。
しかし、そんなささやかな希望は、ダーカーの存在を世界ごと巻き込んだ、歴史の絶望の収束点へと向かっていく。
[僕を救ってくれない人類を、どうして僕が救ってやらないといけないんだ。]
クズとクズが殺し合い、クズとクズが愛し合い、クズとクズが手を取り合って、クズたちに向けて刃を研ぐ。
陰鬱な異能の世界に、醜く、薄汚い世界に、ダーカーたちの咆哮が鳴り響く。
希望を失った青年は、指針を失った世界は、果たしてどうなるのか。真のプロローグを掴むためのキョウシュウ・ヒューマの物語。
クズしかいない、最高に壊れた異能ダークファンタジー。
『Mr.DARKER STRANGE』
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※当作品は、GA文庫様主催、第十三回GA文庫大賞の一次選考に漏れた作品を、校正、推敲した作品になります。
※プロローグ、第一から第六章、エピローグの八部構成になります。
※直接的なエロ、グロ表現が含まれます。
※ダークファンタジーとして楽しんでいただけるとありがたいです。
※単行本一巻分ほどの文量で構成しています。
★折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-07-31 07:00:00
283239文字
会話率:22%