「あなたとは婚約破棄よ!!」
「君とは婚約破棄だ!!」
声を揃えて互いに指を差し合う見目麗しい一組の男女。
敵対心を隠そうともせず告げられた言葉は、互いに互いへの婚約破棄宣言。
仲良いなおい、と、この場に居る誰もが思った事だろう
。
梅咲き乱れる3月初旬。
世間一般的な卒業シーズン。
友人のご令嬢であるジョセフィーヌ様に「婚約者が浮・気・す・る・か・ら・協力して」と依頼され、前・世・同郷のよしみもあったし、私には迷惑かけないからと丸め込まれ、安易に請け負ったのが運の尽き。
まさか前世で流行りのざまぁ系婚約破棄を嬉々としてやるとは夢にも思わなかった。
後姿からでもわかる。あれはルンルンしてる。
恨むぞジョセフィーヌ様。いや、京子。
一体どうしてこうなった。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2021-03-03 13:22:27
16266文字
会話率:31%
王都から遠く離れたのどかなアララ村。そこに住むジリアン・マッカーソン18歳(愛称ジル)は、村一番の働き者だ。見た目もけっこう可愛いと自負している。15歳で両親を亡くした後、一人で畑や家畜の世話を切り盛りしてきた。婚約者である隣のバカ息子は、
王都へ出たきり音信不通。奴の代わりに隣家の分まで世話を担い、大忙しの毎日だ。今日も飼い葉桶を両手に抱えて走り回る。だって、働かなくちゃ生きていけないから。
一生懸命生きてきたのに、隣の一家から謂れのない罪を押し付けられた。そんなわたしを助けてくれたのが、料理のうまい強面さんで……
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2019/12/30 本編完結折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-01-05 08:00:00
110266文字
会話率:46%