──僕がこの侯爵家に養子に来てから早8年。
ずっと後を追っていた美しい義姉は、今日の卒業パーティーが終われば王城へと上がり、婚約者である王太子殿下と結婚することになるだろう。
大切な義姉と、兄のように慕った殿下の結婚を心から祝い
たいと思う。
けれど、なんでかなぁ。
僕は、どうしても並ぶ二人をまっすぐに見られないんだ。
ねぇ、姉さん。貴方はもう忘れてしまったかな?
幼い僕が泣きじゃくりながら言った戯言に、貴方は小指を絡ませ『約束』だと言ってくれた、あの日のことを。
僕は今でも、あの時抱きしめてくれた貴方の熱も、絡ませた小指のするりとした感触も、蕩けるような笑顔も、甘く僕の名を呼んでくれる声も、なに一つ忘れられずにいる。
この感情に名前をつけることも、貴方に伝えることもない。
けれど許されるなら。
一つだけ教えてほしい。
──姉さん、貴方はあの日の『約束』を今でも覚えていますか……?
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※弟が、義姉へ抱えた思いを、卒業パーティーの一日を通して独白するお話です。
※弟はヘタレ、義姉は転生令嬢のちょっとあれな人です。
心温かな読者の皆様には、「このヘタレがぁ!」と言いながら応援していただけますと嬉しいです☆
※転生悪役令嬢、ヒロイン、乙女ゲー等出てきますが、弟目線のため要素薄いです。ざまぁもありません。
※13話(+1話おまけ)で完結です☆
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2019-02-27 08:58:46
68530文字
会話率:40%
此所は異世界『アスガルド』
中世ヨーロッパを彷彿とさせる文明を持つこの世界では、剣はあるが魔法は無く、何処か過去の地球を思わせる。
そんなアスガルドには地球や他の世界から転生した『転生者』がちらほらといる。
この物語は、そんなアスガル
ドに転生した双子の兄弟の日常をただグダグダと書き連ねたゆるゆる日常コメディである
※この物語は作者が気分転換に書いているものであり、メイン更新小説では有りません。ネタが思い浮かべば書く。という1話読みきり型完全不定期小説です。
現在、弟メインの騎士学校編です
1/18 エキストラに内容追加しました
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2013-07-23 20:22:08
31337文字
会話率:81%