とある藩の中級藩士である斎藤信綱は、自宅において不義密通を働いた妻である幸と、その相手であり、上司である赤坂兵衛を斬殺した。
通常であれば、妻を寝とられた行為は当人にとっても恥であるため、穏便に離縁するのであるが、信綱は二人を法に則り断罪し
た上、この事実を公にした。
この行為により「斎藤信綱は武士である」と激賞されるが、当人は只当惑していた。
何故なら、来月には妻を離縁するつもりであったこと。そして、その事は結婚初夜、妻にも約束していたからである。
きちんとお互いの想いを話していれば起きなかったであろう、すれ違いの果てに起きた悲劇。
「以心伝心」なんてあるわけない。結局、自分の想いはきちんと話さなければ伝わらない、というお話。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2020-08-10 15:02:37
3011文字
会話率:27%
奥手のはずの妻が若い男を家に引き込んでいる。そんな客観的証拠だけが夫の前に積み重ねられて行く。
夫は精神的なダメージに日常が歪んで行く。妻が状況を把握したとき、言い訳を裏付けられる証拠は何も無かった。
――考え方の些細な行き違いから、深刻な
崩壊の危機へと至ってしまう。自分の殻にこもることでやり過ごそうとする夫と、全身全霊をかけてその殻を溶かそうとする妻との、家庭再生の苦闘の日々を描きます。
自分からは一歩踏み出すことのできない三十代の会社員。頑張って一歩踏み出す二十代後半の妻。
心を拗らせた男のリハビリの面倒臭さ。愛する夫に一途に全力で仕える妻のいじらしさ。
果たして家庭の再構築は成功するのか?
現代劇です。苦いです。夫婦のラブストーリーです。
※実在の人物、企業、団体、歴史上の存在とは全く関係ございません。フィクションです
※特定の職業に就く方達を貶るような意図は全くございません。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2015-04-14 18:30:05
13260文字
会話率:26%