二億円の蓄財を目指しながらも、勤めていた会社が倒産し失業した主人公(岡本)は、ハローワークから芸能事業を営む小さな会社を紹介される。面接の日に会社の女性部長(良美)から性交を求められ、応じて採用された岡本は、大食いコンテストでデビューした資
産家の女性タレント(ミキ)のマネージャーになる。間もなく岡本は、会社の会計処理が不正で、ミキが傲慢な性格であるが故に、芸能界から干されていることを知る。しかし、良美の色香にとり憑かれた岡本はミキの売り出しに奔走する。ある日岡本は不倫相手の夫から慰謝料を請求される。多額の資産があるが、岡本は取り崩したくない。窮地を知った良美が、話題づくりのためにミキとの入籍を提案してくる。応じた岡本は、披露宴でミキが低血糖症の発作で昏睡する場面に遭遇する。ミキと岡本の結婚は話題にはならず、芸能週刊誌が岡本の女性遍歴を暴露し、スキャンダルとなる。良美の狙いは岡本を貶め、ミキに世間の同情を集めることだった。騙されたと知りつつも岡本はミキとの偽装婚姻を続ける。ある日、岡本はミキと良美が同性愛で、岡本を大麻の常習者に仕立てて、さらなる醜聞ねつ造の企てを知る。怒りにかられた岡本は、ミキが低血糖症の発作時に服用するブドウ糖液を水に替え、死に導くことを思いつくが、大食漢のミキでは不可能だと悟る。ところがミキが撮影中に低血糖症を発症し、良美がブドウ糖液と誤認した水を飲ませる。当然、効果がない。犯罪者になることを恐れた岡本は、機転を利かし、ソフトクリームをミキに与えて回復させる。うしろめたい主人公は辞表と離婚届けを会社に郵送し、求職活動を再開するが、良美からミキが変死した。離婚は成立してないとの連絡を受ける。解剖の結果、ミキの死因は心筋梗塞とわかり、岡本は安堵する。ミキの遺産を相続した岡本は、赤字続きの会社を清算しようとするが、良美は岡本がブドウ糖液を水に替えたと脅迫、遺産相続の放棄を求めてくる。岡本はやむなく同意。良美は和解の証として性交を求めてくる。岡本が応じた直前、暴漢に刺される。かろうじて一命を取り留めた岡本は警察官から、良美が岡本の資産を収奪するための殺人教唆での告発を勧められる。だが、ミキに殺意を抱き、証拠を握られている岡本は、良美を訴えることでの訴追を恐れる。岡本は良美を庇い、ミキの遺産相続を放棄する。
折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2022-08-19 09:00:00
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