奴隷として砂漠の国へと渡ることになった少年・ジャミル。
まだ七歳の彼が引き取られたのは、使い切れぬ金に頭を悩ます国主の館。その妻はなんと、自身と同じ肌と髪の色をした女性で、ジャミルを家族として迎えてくれたのである。
それから六年が流れ――執
事見習いに任命されたジャミルは、ある日、その奥方に呼び出された。
「ジャミル、私と一緒に冒険しに行きましょう♪」
突然の言葉に驚愕するジャミル。
ここはかつて邪神が支配していた大陸であり、国外ではまだ魔物が多く蔓延っている。
奥方は何と、それらと戦う冒険者になりたいと言うのだ。
あまりに無謀であるが、執事の立場ゆえジャミルは断ることができない――。
「奥方の、仰せのままに」
まだまだ小さく未熟な執事と、金を湯水のように使い、魔物までも買収する奥様のお気楽冒険旅が、今ここから始まったのであった。
☆ 以下、小説情報 ☆
※作品内に出てくる記号について――
・・・ は、時間の経過
◇◇◇ は、場面の変更
と、なっています。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2017-11-22 01:22:25
186376文字
会話率:41%