高校生ながらもネット上でミステリィ小説を発表している、僕こと横須賀七罪がお付き合いを熱望している一つ年上の先輩で文芸部の部長を務めている防人海鳥は、実は何と三つ子の姉の睦美と妹の空実との三人で一人の存在なのであり、まさしく並列型の量子コン
ピュータそのままに全知的未来予測能力を誇り、ミステリィ小説等に登場してくる『名探偵』顔負けの推理力を駆使して、数々の難事件を解決していた。
しかしあまりに頻繁に並列化を繰り返したために、いつしか三姉妹の人格の境界があやふやになっていき、まさに三つの魂が一つにならんとし始めたところ、いの一番に消えてしまう人格は三人の中で唯一『名探偵』としては何の役にも立たない、ただの文学少女である自分に違いないなどと出す言い出す、海鳥先輩であったが──⁉
※この作品は、『カクヨム』様のサイト上においても、同時に公開しております。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-04-06 20:00:00
24637文字
会話率:48%
僕の学園の生徒会長の曼陀沙羅先輩は、由緒正しき名家のお嬢様で品行方正で成績優秀な完璧超人であるが、自分の立場を鼻にかけてむやみにリーダーシップをとったりはせず、万事においてあくまでも周囲との調和を大切にして物事を進めていくことを旨としてい
た。
同じく生徒会に所属している僕海燕銀太はそんな彼女に当然のように惚れ込んでしまい、勢いあまって告白を敢行したところ、無情にもあっさりと拒絶されてしまう。
普段の良好な関係を鑑みて彼女のあまりにつれない態度を不審に思い、それからもあきらめずに何度もアタックを繰り返したところ、根負けした会長は思わぬことを告げてきた。
「実は今の『私』は記憶喪失中の仮の人格に過ぎず、そのうち消えてしまう定めにあって、こんな私に思いを寄せても無駄なだけよ」──と。折りたたむ>>続きをよむ最終更新:2018-01-20 20:00:00
22225文字
会話率:47%